IT分野の技術の成長とトレンドの移り変わりは速く、2021年もその状況にかわりはありません。その中でも、数年前から長期的に話題になり近年、重要度が増しているキーワードについて、再確認も含めてご紹介します。
クラウドはネットワークを介した接続先の環境、ソフトウェアを利用する仕組みです。サーバーなどの物理的なハードウェアを持たずに活用できるため、利便性が高く、利用拡大が目覚ましい分野です。
総務省の「令和3年版情報通信白書」によると2020年の世界でのクラウドサービス市場は3281億ドルであり、2017年の1640億ドルの2倍以上となっています。さらに2023年には5883億ドルに到達するとも予測されています。
ITシステム構築においては、クラウドの利用は前提となりつつあり、次のステップとしてクラウドファースト、クラウドネイティブという考え方にも繋がっています。
デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略。デジタルやIT技術を用いてビジネスの変革を行い、新たな価値を生み出す取り組みを指します。
通信や流通の速度が早まり、競争相手がグローバルになるのに伴い、企業は新たなプロダクトや価値を手に入れる必要性が高まっています。そのための課題解決方法として、DXの必要性が広く説かれているのです。
総務省や経済産業省により法整備などの形での支援も行われています。
Artificial Intelligenceの略で、日本語訳すると人工知能となります。コンピュータが人間にかわり、複雑な思考のプロセスを行う仕組みです。
多量のサンプルにより学習を行ったり、パターンの抽出を行って正解に近づけるなどのアルゴリズムを持っており、人間の行う複雑な行動を代替できる仕組みです。パターン化できる判断プロセスなどで活用が可能とされ、ビジネス用途などでの期待が集まる技術です。
Internet of Thingsの略で、モノのインターネットという意味です。コンピュータ以外のあらゆるものにインターネットでの接続を与え、各種の情報を収集したり遠隔操作を行うことで利便性を得る技術を示しています。
総務省の「令和3年版情報通信白書」によると、IoTの普及が進んでおり、2020年時点で世界で253億台の機器がインターネットに接続されています。今後もさらに増加する予測が行われており、他分野と組み合わせることでより広がりを持つ技術です。IoBにおいては、その基礎を支える技術となっています。
あらゆる情報(データ)を収集、蓄積、整理して有用な傾向を導き出す技術、手法のこと。大量のデータを集めることからビッグデータの名前が付いています。
収集するデータの例としては、スマートフォンの操作履歴、位置情報、観測地点ごとの天候情報、ビジネスにおける伝票データなどあらゆるデータが対象となります。これまで想像もされなかったデータ間の関連を見出すことで、ビジネスなどに有意性をもたらす技術です。収集したデータは、データの分析やAIによるデータの活用がセットとなります。
5Gは第5世代移動通信システムの5th Generationの略語です。モバイル向け通信規格であり、高速、大容量の通信を可能とすることが特徴です(高速大容量、高信頼低遅延、多数同時接続 )。国内では携帯電話大手企業により2020年3月から提供が開始し、その他の企業も追随しています。利用には対応した端末と基地局が必要なため、利用可能地域を確認する必要があります。
ビジネスにおいても、その速度と容量の活用に注目が集まっています。高画質な動画のリアルタイム配信などの実現をもたらす技術です。
また公衆通話網ではなく、Wifiの様にローカルな5Gネットワークを構築することも可能です。これは、ローカル5Gと呼ばれるもので、特定エリアでの活用シーンが想定され、ITベンダーなどはローカル5Gを利用したサービス構築などを検討しています。
ブロックチェーンは、時間の経過とともに連続した情報を記録する技術です。自律分散システムにより成り立ちます。
金融分野では取引の連続を一繋ぎのデータとするために利用されています。暗号資産などにより注目を集めました。
金融分野に限らず幅広い用途が想定されており、今後の利用拡大が予想される技術です。
RPAはRobotics Process Automationの略称です。ロボットによるプロセスの自動化を意味しています。必ずしも物理的なロボットではなく、PC上の各種操作を自動化するのに利用可能な技術です。業務の自動化への活用が進んでおり、システム運用などでも利用が見込まれています。
⇒運用自動化ラボではRPAの業務への適用を支援しています。お気軽にご相談ください。
ローコード・ノーコードは専門の技術を持たない人でも、アプリケーションを作成し、業務のIT化を進めるためのツールおよび開発技法です。ツールによりドラッグアンドドロップで部品をつなげることで、プログラムを直接書かずともアプリケーションが作成できる製品が多く提供されています。
非IT専門職でもアプリが作れIT化、デジタル化を推進できるとして期待されている技術です。ただし、構造上適用分野には限りがあるとされています。
業務効率化、自動化への適用が期待される技術です。
→運用自動化ラボではローコード・ノーコードの適用がしづらい業務の自動化を支援しています。お気軽にご相談ください。
エコシステムはもともとは「生態系」を意味する言葉です。ビジネス上の文脈では、IT業の業界や製品がお互いに連携を行うことで利益を生み出す循環を意味しています。
企業やその製品を組み合わせて新たなサービスを生み出す循環が、イノベーションの基盤となるとされています。シリコンバレーのエコシステムが例としてよくあげられるものです。
日本国内でもその構築の必要性が説かれています。
サブスクリプションは「定期購読、継続購入」を意味する言葉です。転じて、月々などの期間で定額で利用できるサービスを示すようになりました。音楽や動画などのデジタルコンテンツ配信をはじめとして、様々な分野で用いられる形式です。
モノを購入して所有するのではなく、お金を払って一定期間利用できる権利を購入するという考え方がベースとなっています。製品の物理的な劣化の起きないデジタル関連では、リーズナブルな方式として取り入れられています。
テクノロジー(技術)をクロス(X)させるということを示す造語です。既存のビジネスにITやデジタルの技術を加えて作り出されたビジネスモデル、業種、サービスを指します。
DXのアウトプットが実を結んだものともいえます。
代表的な例として、FinTech(金融)、EdTech(教育)、HRTech(人材)、AgriTech(農業)、MedTech(医療)、AdTech(広告)などが知られており、今後も広がりを見せることが想定されています。
Development(開発)とOpereatirons(運用)を組み合わせた言葉であり、システム運用の場において運用担当者と開発担当者が直接的に連携し(あるいは同じ担当者で)、サービスを運用しながらブラッシュアップする形態です。
従来から行われてはいたものの、近年ツールや環境の変化にさらなる注目を集めるようになりました。それぞれ相互に影響を与えることにより改善のサイクルを早める効果があります。
量子の持つ重ね合わせ、量子もつれと呼ばれる性質を用いて高速度な計算を行うコンピュータを量子コンピュータといいます。従来のコンピュータは一つのビットで0か1のいずれかの状態を示すことで成り立っていますが、量子の場合は重ね合わせにより多くの状態を持つことができ、これが高速度な計算に繋がります。現状では、一部の特定の計算に適用可能な状況となっています。汎用的なものは実用レベルに至っておらず、未知数な部分があります。
(「量子とは、粒子と波の性質をあわせ持ったとても小さな物質やエネルギーの単位」文部科学省「量子ってなあに?」より引用)
今回は2021年最新版のIT用語をまとめました。みなさんの気になるものはありましたか?
それぞれに関して詳しい説明がついているものもあるのでぜひ参考にしてみてください。
IT用語のトレンドになるような話題を自社の経営に応用させるとよりよい未来が待っているかもしれません。
ITサービスの導入に不安をお持ちの方でもぜひお気軽にご相談ください。